Re:Quiem Zero (零) Aroma Blend

共に寄り添う

孤独で

追い詰められ

痛みや寒さに震えて

でも逃げ出せない

どこに行けばいいのか?

何をすればいいのか?

迷い込んだ出口のない迷路

そんな時、Zeroの香りが「寄り添う」ように安心感が生まれ、出口のない迷路の「壁」を消し去る

「何も迷うことはない」

ただただ自分を「信じて」ほしいと思います



ZERO(零)香りの物語

老人と少年



学校に行かなくなって何か月になるんだろう・・・

ここ数か月、家の中からほとんど出ていない 

このままじゃダメなんだろうけど、だからといってどうすることも出来ない


ただ、何故か今日は家の中にいるのが無性に息苦しくて、思わず外に出た

少し肌寒くなってきている


『もう10月だもんな・・・・』

何処へ行くともなしに歩いて、隣町の大きな公園にふらりと立ち寄る

昼間の公園にはいろんな人がいる


小さな子供を連れたお母さんたち

仕事中だろうか、休憩をしているスーツを着た人

近道をするために公園を横切る人たち

そんな人たちをぼんやり眺めながらベンチに腰かけていた



「なんじゃ、少年 今頃は学校の時間じゃろうに」

こちらへ歩きながら見知らぬ老人が声をかけてきた


『面倒だなぁ』

そう思っていると、老人は僕が座っているベンチに腰を下ろした


「サボっておるのか?優雅じゃのう」

そう言いながら老人は僕の顔を覗き込む


「ふむ・・・優雅なわけではなさそうじゃ」

『・・・・・・・』


無言でいる僕に気を悪くする風でもなく、あきらめてどこかへ立ち去るわけでもなく、老人は目を細めて公園の人々を眺める

横目で老人をよくよく見ると、一見みすぼらしい感じでもあり裕福そうな感じでもあり・・・

そのちぐはぐさについつい引き込まれてしまう

その視線に気づいたのか、老人がふとこちらを見て


「おぬし、なんで学校に行かんのじゃ? 好かんやつでもおるんかの?」

『・・・・・・・』

『そんなこと一言で答えられることじゃない』 


この後も老人に質問攻めにされるかもしれない

そう思い僕は面倒になってベンチを離れて公園を出て家へ帰った


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日、再び昼頃に公園に行ってみた

2日続けて外に出るなんて珍しいことだけど、なんとなく昨日の老人が気になった

というか、人と接したのが久しぶりだったからなのかもしれない


『今日も居るのかな?』

公園に入って周りを見渡したけど、老人の姿はない

僕は昨日と同じベンチに腰を下ろしてぼんやりと公園内の人たちを眺めた 


昨日と人は違うけど、それでも昨日と似た風景

当たり前のことのように公園という風景の素材として人がいるように感じる


しばらくぼ~っとしていると


「おっ、今日も来ておったか」

突然、背後から老人の声がした

振り返る間もなく老人は、昨日のように隣に腰を下ろす


『なんでわざわざ隣に座るんだ?』

そう訝(いぶか)しんで老人を見やると


「あのなぁ、わしは毎日このベンチに座っとる。お前さんが昨日からわしの隣に座っとるんじゃぞ」

僕の顔色で頭の中の考えが解かったのか、老人がそう答えた

僕は慌ててベンチを立とうとすると


「まあまあ、座っとりなされ」

老人の手が肩を軽く押さえて立ち上がろうとする僕を再び座らせた 

老人が僕の顔をまじまじと覗き込みながら


「もしかしてお前さん、自分を責めとるのか?」

・・・責める?

「まるで自分で自分を追い込んどるような目をしとるからのう」 


・・・・・・・・ そう

老人の言う通り確かに僕は自分を責めていた

欠点だらけの自分

そんな自分を半ば呪っていたかもしれない


自分ではどうしようもない欠点を、毎日学校で言われ、蔑まれしている

だから学校へも行かなくなってしまった

わかっている けどどうしようもない・・・

そんな自分を呪っていた


「お・・おじいさんは・・・・」

「!?」


初めて言葉を発した僕に、目を丸くして老人が振り向く


「おじいさんは自分を・・・責めないの?」

何故か老人に聞いてみたくなった


「おぬし、しゃべれるんかい」

老人は少しほころんだ顔になった


「責めるとはどういうふうにじゃ?」

「おじいさんは自分の欠点とか、嫌いなとことか・・・・そんなのないの?」

「あぁ、わしゃ欠点だらけじゃぞ」


「そうなんだ。じゃあ・・・やっぱり自分を責めるの?」

「なんでじゃ?人間はみんな欠点だらけじゃ。それをいちいち責めとったらきりがない」


「そんなことない。欠点のない人もいるよ!」

僕は少しむきになって言った 

学校の・・・クラスのみんなは・・・・

僕なんかより全然欠点が無い


「おらんさ、そんなやつは・・・。ただ自分の欠点を隠すのがうまいだけじゃ。」

隠すのがうまい?


「そうなの?」

「ああ、そうじゃ。人間ていうのはな、生まれながら欠けているんじゃよ。みんな、なにがしかの欠点を持って生まれてくる。しかも半分欠けているのが人間じゃ。」

「半分も?」

「ああそうじゃ。もし欠けていないなら、それは人間ではなくて神様じゃろうて。 人間はまん丸のちょうど半分欠けて生まれてくるんじゃ。」


「・・・なんで半分?」

「実はな、自分のもう半分は別の人として生まれてくるからじゃ、たぶんなぁ。 その半分の片割れと、やがて人生のどこかで出会って、そうしてようやくまん丸になる。人という字が支えあっているゆえんじゃよ。」

「そうなんだ・・・」


「しかしな、これがなかなかうまいこと出会えんのじゃ。何でかわかるか?」

「わからない。」

「それはな、皆が自分をちょっとでも良く見せようとして欠点を隠すからじゃ。欠けた部分を隠そうとして本当の姿とは違った姿になっとるから、片割れに気付かれないし、こちらも気付かない。」


『・・・・・・』 

老人の話は少し意外だったけど、それでもつい聞かずにはいられない


「そんな片割れって本当にいるの?」

「あぁ、居るとも。出会うはずの約束をして生まれて来とるからな、たぶん・・・。じゃが出会ってもなかなか気づかんのじゃ、これが。 どちらも欠けたものを隠そうとしとるからのう・・・困ったもんじゃ。」


「みんな少しでも自分を良く見せようと、まん丸に近づけて見せようとしとるから、本当の形が解からなくなってしまう。じゃがそれでも解かるときもあるがな。」

そんな片割れ本当にいるのだろうか?


「でもおじいさん、僕は欠点だらけでいっぱい欠けたところがあるんだよ。」

「だから言っておろう、みんな半分は欠けておると。けっこう欠けとるぞ、みんな。」


「おじいさんも?」

「あぁ、わしもじゃ。」

みんなそんなに欠点があるのか・・・

そしてみんな隠しているだけなのか。


「おじいさんはそんな片割れの半分の人と出会えたの?」

「あぁ、出会えた。」

「そうなんだ、それじゃあきっと幸せなんだね。」


「あぁ・・・、幸せだったよ。」

そう言って遠くを見つめる老人の瞳はどこか寂しそうであった。


「僕にも片割れがいて、いずれ出会えるのかな?」

「もちろんいるし出会えるとも。じゃが、さっきも言ったように隠しとったら気付かんし気付かれん。おぬしは隠すのがへたくそなんじゃろう。じゃがそのほうがええんじゃ。隠すのがうまいやつはせっかく出会えてもわからんままじゃからのう。」

「いつごろかなぁ?」

「さぁな~、5年後か10年後か30年後か・・・こればっかりはいつとは言えんが、お互い準備が出来たら出会うじゃろう。」

「準備があるの?」

「気付けるだけの準備が出来たらということじゃな。 気付けなければ出会ってても出会ってないのとおんなじことじゃからのう。」


「じゃあ、僕みたいに欠点だらけでもいいの?」

「わしゃおぬしの欠点など知らんが、それが人間じゃからそのまんまでええ。」

「じゃあ、隠して良く見せるよりこのまんまの方がいいの?」

「ん~、そうじゃなぁ~、世間ちゅうのは良く見せれるやつのほうをひいきにしたがるが、それがそもそもの間違いなんじゃ。自分で自分の首を絞めとるようなもんじゃからのう。 実は欠点のないやつを褒めながら、自分も欠点を隠さにゃならんようになる。ほんとは苦しいはずじゃぞ、みんな。」 


「それじゃあ、僕が今まで苦しんでいたのって無駄だったのかな?」

「いや、無駄じゃないさ。それだけ自分の欠点を見つめて来たんじゃから、それはきっとこれから役に立つさ。」

心の靄が薄れていることに興奮して、心臓がどきどきしていた。 


僕は老人の言葉を心の中で何度も反芻(はんすう)していた。


『欠けててもええんじゃ・・・』

心の中で絡まったわだかまりを少しずつ紐解くように・・・・


「またの~、少年」

と老人が言って立ち去る。


自分の想いに没頭していて軽く会釈だけした。 

その後、しばらくして「ありがとう」とお礼を言うのをわすれていたことに気付いた。


------------------


家に帰り自室に戻ると、今までなんともなかったはずの部屋に息苦しさを感じる。

カーテンを開け窓を開け放つと、少し冷たい風と共に金木犀(きんもくせい)の香りが入ってきた。 

その香りで家の庭に咲く金木犀の花が咲いていることに今さらながら気付く。


その金木犀の心地よい香りを胸一杯に吸い込む。

その香りが今まで自分を苛んだ痛みを少しずつ和らげてくれるような気がした。






ZERO(零)の香り

話の最後に出てくる金木犀(きんもくせい) そんな香りを連想させる甘くて切ない香りです

この香りが孤独や痛みを和らげて、冷えた心を温めてくれるでしょう

再び立ち上がり人生を歩き始める力と勇気を与えてくれるはずです。

そして・・・ このZEROの香りは、他のREQUIEMの原点となる香りでもあります

他のREQUIEMシリーズのブレンドたちは、ZEROの癒しの香りを変化させて、様々なシチュエーションの痛みを和らげたいと思いブレンドしたものです



Re:Quiem Aroma Series

Re:Quiem(レクイエム)とは「安息を・・・」という意味の言葉です そして、アロマエッセンシャルオイルブレンドです ただ単に リラックスするだけのアロマブレンドではなく 心の奥深くにある想いや感情に手を差しのべるような 魂にまで届くアロマブレンド そんなものを創りたいという想いから生まれたのがRe:Quiem(レクイエム)です。

0コメント

  • 1000 / 1000